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ご近所トラブルに基づく損害賠償請求

■集合住宅の騒音
人は居住場所において、静謐な環境の下、平穏な生活を営む人格的利益を有しています。そのため、これを違法に害する場合、その侵害者に対して損害賠償を請求することができますが、社会生活を送るうえで、物音を一切立てずに生活することは不可能であり、ある程度の騒音は避けられません。

そこで、近年の判例によれば、違法な騒音だというためには、加害者側の事情と被害者側の事情を比較し、侵害行為の態様とその程度、被侵害利益の性質とその内容、侵害行為の開始とその後の継続状況、その間に取られた被害の防止に関する措置の有無及びその内容、効果等を総合して判断し、社会生活上、一般に受忍すべき限度を超えることが必要だとされています。

例えば、アパートで隣の部屋に住む者が長期に渡って夜中でも騒音を出すため、注意を行ったり管理会社に苦情を言って注意喚起してもらったりしたが、一向に改善しない結果、被害者が不眠症や睡眠障害などに陥ったケースで、総合的に判断して受忍限度を超えると認められるときは、違法な騒音として加害者は賠償責任を負います。

ただ、一律な基準で受忍限度内か否かを決めることはできません。状況に応じて総合的に判断し、日常生活上で異常といえるような騒音が継続する場合には違法な騒音であると言えるでしょう。

■猫の餌やりと悪臭
不法行為責任に基づき、相手方に損害賠償を請求するためには、行為に違法性が存在することが必要です。違法性の有無は、通常、侵害された権利(利益)の性質と相手方の行為態様を総合考慮して判断されますが、特に騒音、振動、煤煙、悪臭、排水、日照妨害、電波障害など、近隣の人の生活に悪影響を及ぼすもの(生活妨害。これが事業に基づき、より大規模に発生するものを公害という。)については、判例上、「受忍限度」の考えが広く採用されています(前述の「集合住宅の騒音」がその一例)。

これは、生活妨害が社会生活上必然的に、多少なりとも互いに及ぼしあっているものであり、これをすべて違法として損害賠償責任を認めたのでは、社会そのものが立ち行かなくなってしまうという考えに基づいています。

そのため、例えば、タウンハウス(低層の連続式住宅)の一部の住人が自分の庭で野良猫にえさを与え続けた結果、大量の野良猫が辺り一帯に集まるようになり、糞尿による悪臭やごみ箱が荒らされたりするなど近隣の住人に多大な迷惑をかけ、かつ動物の飼育禁止条項を設けたタウンハウスの管理規約に違反し、複数回にわたり飼育をやめるよう通知したのにもかかわらず一向に餌やりを止めないというケースで、判例は、受忍限度を超え、かつ人格権を侵害するものとして加害者には損害賠償責任があると判示しました。

■日照権侵害
日照権とは、ある土地上で一定以上の期間妨害されることなく日照を利用して快適な生活をおくることができる権利をいいます。日照権侵害が違法となりうる法的根拠について、物権的請求権(不動産の所有権等)や人格権、環境権等が存しますが、いずれにせよ重要なのは、具体的にいかなる場合に「受忍限度」を超えて違法となるかです。

この点、日照権侵害については、地域性、日影規制違反等の公共規制違反の有無・程度、被害の程度、以前の状況との比較、交渉経過等の事情を総合考慮して受忍限度を判断する手法が一般化しています。総合考慮によるため、公法規制違反(特に建築基準法56条の2の日影規制違反等)がなく、行政等からいわゆる建築確認が下りている場合であっても、民法上の損害賠償請求や工事差し止め請求が認められる余地があるので注意が必要です。

■飲食店の悪臭
これまで見てきましたように、近隣の人の生活に悪影響を及ぼす生活妨害については、生活妨害が社会生活上受忍すべきと認められるべき範囲を超えた場合に限って違法性(損害賠償)を認めるという、受忍限度の考え方が取られています。

もっとも、臭気については、発生源の活動条件や気象条件の影響もあり、そもそも個人の感覚によって受け止め方に違いがあることから、受忍限度の判断要素として客観的な基準としての法令の規制基準が用いられることがあります。

従前、悪臭防止法においては悪臭の原因となる特定物質(政令により規定)の濃度に着目し、一定以上の濃度の物を規制して、間接的に周期を規制していました。しかし、この物質濃度規制では、政令に定められていない物質による悪臭やいくつかの原因物質が複合して発生している悪臭に対応できなかったため、平成7年の法改正により都道府県は、物質濃度規制に替えて人の嗅覚により悪臭の程度を数値化した「臭気指数」による規制方式を採用するようになりました。

具体的な方法は、濃度の異なる臭いを詰めた3つの袋を用意し、2つには無臭、1つには臭気のある空気を入れ、正常な嗅覚を有する者(嗅覚試験者)6名に嗅覚により袋を区別させます。嗅覚試験者が臭気をかぎ取れなくなるまで希釈を続け、どの濃度で臭いをかぎ取れなくなったかという結果から、臭いの強さ(臭気指数)を算定します(三点比較式臭袋法)。これにより、以前は規制対象外だった物質や複合臭に対しても規制が及び、住民の被害の実情に合い、さらに高価な分析機器を使う必要がないため、より安価に特定悪臭物質濃度を測定することができます。

臭気に関する損害賠償について、神戸市内の住宅街近辺にできた焼き鳥店から日に何度も商品の臭いが相当強く臭ってきて、近隣住民の体調を悪化させ、ガラス戸や窓を閉める生活を強いらせさせたという事例で、第一審では神戸市方針の臭気指数規制に違反し、かつ店舗が住宅地にあることを考慮し、臭気は受忍限度を超えているとして当該焼き鳥店とその本社に損害賠償責任を認めましたが、その控訴審で臭気は拡散することや、神戸市方針は行政の指導目標を定めたものに過ぎず、違反に対する罰則等もないことから神戸市方針の基準違反のみをもって受忍限度を超えるとすることはできない等、総合的に判断して損害賠償責任を認めませんでした。

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