リモートでもセクハラ行為になるの?~リモートセクハラへの対処法~

セクハラは直接触るだけじゃない~セクハラの種類について~

セクシャルハラスメント、略してセクハラ。ひとくちにセクハラと言っても、さまざま種類が異なります。具体的にどのように分類されるのか、以下に表にしてみましたのでご確認ください。

セクハラの分類 細かい分類 セクハラに該当する主な行動
①対価型 対価型 昇進や入社させる代わりに性的行為を求める。
②環境型 ②-1視覚 デスクトップ画像を卑猥なものにしたり、性をアピールする格好をする。
②-2身体的接触 尻や胸を触る。ボディータッチが頻繁にある。
②-3言動 性的な冗談を言う。プライベートな情報を流したり、容姿体型についてからかう。

新型コロナウイルスの影響で、リモート勤務形態が広まった結果、直接身体に触れられるような、セクハラの機会は減ってきたのかもしれません。しかし、リモートになってもなお、被害に遭う言動によるセクハラや視覚によるセクハラもまた存在するのです。

リモートセクハラ~どんなことが問題になっているの?~

リモートでおこなわれるセクハラは、主に視覚によるものと、言動によるものと大きく分かれると思います。具体的には以下のようなシチュエーションが考えられます。

  • ①リモート会議で自宅の部屋が画面にうつったとき。その部屋についてあれこれ指摘する。
  • ②リモート会議で部屋着、メイクなどを指摘する。
  • ③わざわざ二人で会議や飲み会を強要する。
  • ④メールやSNSを利用して、プライベートをさぐる。

①リモート会議で自宅の部屋が画面にうつったとき、その部屋についてあれこれ指摘する。

リモート勤務では、Zoomのようなリモート会議ツールを利用する機会があると思います。その際、慣れていないとバーチャル背景が設定できず、自宅の部屋が映ってしまうということもあるでしょう。こういったときに「部屋の中をもっとみせてよ」や「へえ、○○好きなんだ」のように部屋の様子を聞かれたり、私的な趣味について言及されたときには、セクハラをされている可能性があります。

②リモート会議で部屋着、メイクなどを指摘する。

リモート勤務になると、出社している服装やメイクよりもラフになりがちです。そのような変化を指摘されることも、またセクハラに該当する場合もあります。

③わざわざ二人で会議や飲み会を強要する。

「リモート会議になれていないから」といった理由で、2人きりの会議や飲み会を強要された場合、リモハラに該当するケースもあります。

④メールやSNSを利用して、プライベートをさぐる。

リモート勤務になると、今まで利用していなかったチャットツールなどを利用して、連絡を取り合うことも少なくないです。個人間でのやりとりが必要なとき、業務外の質問や私的なことをさぐられたときには、セクハラをうけている可能性があります。

以上が、リモートセクハラに該当する可能性のある行動でした。

とはいえ、上記の行動は受けた側が、不快に感じなければ、セクハラにはなりません。上記は受け取り手が不快になったことを前提にしておりますので、実際はケースバイケースと言っても良いかもしれません。

リモートセクハラを防止するためには?

リモートセクハラを未然に防ぐためには、以下のようなことに気を付けるといいと思います。

  • ①プライベート空間を見せないよう、バーチャル背景を設定する。
  • ②自宅の部屋が画面に映る場合には、私物や私生活を想像するようなものを映らないようにする。
  • ③個人間で業務報告をするときには、プライベートな話題にならないよう気を付ける。

②自宅の部屋が画面に映る場合には、私物や私生活を想像するようなものを映らないようにする。

利用するリモート会議のツールによっては、バーチャル背景を設定できないものもあるかもしれません。音声のみで会議に参加する方法もありますが、上司によっては、部下の顔を見て話を進めたいという方もいると思います。

したがって、止むを得ず自宅の部屋を映さなくてはいけない場合には、出来るだけ画面に私物が見えないようにしておきましょう。特に洗濯物や生活用品は、想像力をかきたてる要因になる可能性があります。画面に映らないかどうかを事前に確認しておくと良いかもしれません。

③個人間で業務報告をするときには、プライベートな話題にならないよう気を付ける。

上司に個人間で行う報告をするときは、簡潔に連絡することが大切です。業務報告にもよりますが、他に携わっているメンバーがいるのであれば、そのグループチャットで報告しても良いかもしれません。更に付け加えれば、文面はビジネスライクにした方が良いと思います。

あまりフランクすぎると、相手方に好意を持っていると勘違いされてしまう可能性もあります。冗談のようなことかもしれませんが、受け取り手によって文面に感じる印象は異なります。万が一のことも考え、慎重に行動することが大切です。

以上がリモートセクハラを未然に防ぐ対策の紹介でした。

セクハラと言っても、相手方の自覚が必ずしもあるわけではありません。「恋愛的に」「好意を持っていると思った」「喜んでくれていると思った」でセクハラをしてしまう方も少なからずいるのです。勘違いとは恐ろしいもので、放置しているとストーカーなど犯罪に発展する可能性も秘めています。

とはいえ、実際セクハラにあっても、その場で「いやだ」と伝えるのは至難の技です。次章では、リモートセクハラにあった場合の対処法について考えていきましょう。

リモートセクハラを受けた場合の対処法

リモートセクハラを受けたと感じた場合の対処法として、主に挙げられるのは以下の3つになると思います。

  • ①自覚が薄い場合には直接言ってみる
  • ②人事に相談する
  • ③総合労働相談コーナー
  • ④弁護士に相談

①自覚が薄い場合には直接言ってみる

リモートセクハラは、新型コロナウイルスの流行によってリモート勤務が増えたために、顕在化したトラブルです。したがって、リモートセクハラをしている人も、何がセクハラに当たるのか理解していない可能性があります。

したがって、リモートセクハラの自覚がなくおこなっている人に対しては、遠回しに「不快に思っている」ということを伝えてみても良いと思います。とはいえ、普段からコミュニケーションが取れているひとであれば、伝えられるかもしれませんが、上の立場のひとだと難しいかもしれません。

②人事に相談する

現在は、多くの企業がコンプライアンスの遵守することを大切にしています。したがって、人事部に相談してみるのも手段のうちです。また、ハラスメントの相談窓口を設置している企業もあるので、ご自身の勤めているところに、窓口があるかどうかの確認をしてみても良いと思います。もしくは、信頼できる上司がいるのならば、一旦その方に伝えてみても良いかもしれません。

③総合労働相談コーナー

勤めている会社には、相談できない状況にある方は、各地域に設置されている、総合労働相談コーナーに相談してみるのも手段のうちです。設置されている場所など詳細につきましては、厚生労働省の総合労働相談コーナーのご案内を確認してみてください。

④弁護士に相談

リモートセクハラが悪質かつ、企業側も対応してくれない場合には弁護士に相談することが、解決の近道になるかもしれません。なお、リモートセクハラなどハラスメント行為については、ハラスメントをおこなった本人ではなく、企業を相手取って交渉、調停、訴訟などをおこなうことになります。認識があやまりがちな部分なので、しっかり把握しておくことが大切です。

まとめ

今回は、リモート勤務の増加に比例して増えた、リモートセクハラについて考えていきました。2018年にはじまった働き方改革の一環で、ハラスメント行為に対し、法整備が整いつつあります。我慢し続けると、労働意欲を失うことにつながりかねませんし、性犯罪といったトラブルにつながることもあります。そのため、辛いと感じた時には、勇気を出して声をあげてみても良いでしょう。

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