債権回収のテクニック：売掛金の回収のコツ

企業間の取引において、先方からの入金が遅れた場合に、なんでも内容証明郵便で送りつけるのは得策ではありません。今後の取引もあるかもしれませんし、相手に何かしらの事情があるかもしれません。
支払い期日に遅れている理由は、大きく分けて下記の３つに分類出来ます。

◎支払いを忘れていた。
◎支払うための原資が、今現在手元に無い。
◎債務の存在自体を認めず、支払いに応じない。

債権を回収する際に最も重要な事は、相手が「なぜ滞納しているのか」の理由をちゃんと把握する事です。これがわかっていないと、的外れな督促をする事になってしまいます。
確かに滞納しているわけですから、債務者側は債権者にどのように督促されようが文句は言えない立場です。しかし、債権回収の目的は、督促をすることではなく、「債権を全額早期に回収すること」です。その実現のために、債権者は冷静にならなければならないのです。
例えば取引先が、今すぐに支払えないが、１ヶ月後なら必ず払う、と言ってきたとします。そういった場合にも無理矢理「今すぐ支払え」と頭ごなしに言うのではなく、期間を猶予する代わりに、社長自身に債務の連帯保証人になってくれるよう交換条件を出すなど、相手の心理をうまく利用し、結果的にこちら側に有利になるように話をまとめるのです。
このように、債権回収は相手との駆け引きであり、交渉力が問われるため、もしも自信が無い場合は、弁護士などに相談する事もお勧めします。