安易な示談はだめ、絶対~交通事故の被害に遭った場合~

交通事故の示談とは?

示談とは、加害者と被害者で話し合って合意を得ることいいます。交通事故は、被害者の怪我の状態などによって、罰金・懲役・禁錮刑が科せられる可能性があります。

しかし、被害者との示談交渉が早期に成立すると、科せられる刑が軽くなったり、被害届を取り下げることによって、不起訴になる可能性が高まったりします。不起訴になれば、前科がつかないので、加害者にとって示談交渉はとても重要な事柄なのです。

したがって、加害者側は、示談を早く成立させたがります。しかし、交通事故で負った怪我などの具合によっては、時間の経過がないとわからないこともあるため、早期に損害賠償額を確定出来ないことがあります。そういったケースの場合、加害者側と被害者側の認識に違いが生じることが多いです。

今回は、交通事故の示談交渉について掘り下げていきたいと思います。

交通事故の示談の交渉相手は?

交通事故に遭い、被害者になった場合、示談の交渉相手は誰になるのでしょう。加害者本人とやりとりし、示談交渉をイメージする方もいるかもしれません。しかし、示談の交渉相手は、加害者の入っている保険の種類によって異なるのです。

自動車保険には、自賠責保険と任意保険があります。自賠責保険は、強制加入の保険で、自動車を運転する場合には、必ず加入しなければなりません。一方で、任意保険とは、文字通り強制加入の保険ではなく、運転者の意志で加入することが出来ます。

自賠責保険のみと任意保険に加入しているとでは、交通事故を起こした場合の補償内容が大きく違うので、多くの方が任意保険に加入しています。具体的な違いを表にまとめてみましたのでご確認ください。

保険の種類 交通事故時の交渉 補償内容
自賠責保険 本人、もしくは弁護士 他人の怪我に対する賠償のみで、対物や本人の怪我等については補償されない。
任意保険 任意保険の担当者 各保険会社のプランや保険料によって異なるが、自賠責保険よりも補償内容が良い。

平成29年度のデータによると、自動車の任意加入率は74%とかなりの割合を占めています。そのため、被害者になったときには、多くの場合、加害者側の任意保険の担当者と示談交渉をおこなうことになると思います。

示談金を提示されるタイミングは?(任意加入者の場合)

前章では、示談交渉の相手について確認していきました。では示談金を提示されるタイミングはいつになるのでしょうか。交通事故に遭い、負傷した場合以下のような流れになります。

  • ①病院での治療
  •   ↓
  • ②治療費支払い(被害者側が立替)
  •   ↓
  • ③負傷による仕事休業期間
  •   ↓
  • ④後遺障害認定(後遺症がある人の場合)
  •   ↓
  • ⑤保険会社からの示談金提示

交通事故でかかった医療費は基本的に、被害者自身が立て替えで支払い、示談金をもらうときに戻ってきます。損害賠償金が確定してからでないと、示談金の提示を出来ないので仕方がないかもしれません。

①が長期にわたったり、④がある場合には症状固定までの期間が長くなることがあります。そういったケースでは当然示談金の提示も後ろ倒しになります。

しかし、「交通事故の示談とは?」でお伝えしたとおり、加害者側の問題で示談交渉を早く成立させたくて、成立を急かすことがあります。また、保険会社によっては示談金を引き下げるために、①や④などが終わる前に示談を終わらせようとすることもあるので注意が必要です。

提示金額が納得できないなら示談に同意しない

前章では、示談金の提示のタイミングについて確認していきました。示談交渉で気を付けていただきたいことは、症状固定や通院をおこなっている最中に、示談を成立させないことです。

示談が成立すると、清算条項という文言が記載のある示談書にサインすることになります。清算条項を含んだ示談書は、最終的な合意書であり、成立した後、被害者にどんな障害が起こっても、再度加害者側に損害賠償請求をすることができなくなるのです。

専門知識がわからない被害者に対して、専門用語を多用し、少しでも保険会社が支払う金額を下げようとします。中には、威圧的な態度で示談成立を催促してくる方もいるかもしれません。しかし、示談金の提示額に不満があったり、不明点があり納得できないのであれば、絶対に同意しないでください。

まとめ

今回は交通事故で被害者になった場合の、示談交渉について確認していきました。

清算条項付きの示談書にサインをしてしまうと、示談が成立したことになり、いくら弁護士に依頼しても覆すことは出来ません。したがって、不満があるときには必ず、サインをする前に弁護士等に相談することを検討してみてください。

相談窓口案内サポート

メールで無料案内

メールでご連絡頂きますと、交通事故・示談相談サポートに掲載されている弁護士等の相談窓口の中で交通事故関連に知見がある相談窓口に一括でご連絡することができます。

電話で無料案内

交通事故・示談相談サポートに掲載されている弁護士等の相談窓口から交通事故関連に知見のある電話相談も可能な相談窓口を自動音声案内にてご案内いたします。

24時間365日・受付可能

050-5578-9800 平日20時〜翌10時、土日祝日は受付のみ対応となります。