一日葬とは

一日葬は、お通夜を行わずに葬儀から火葬までを一日で済ます葬儀形式をいいます。
一日葬の特徴は、お通夜を行わないものの、火葬前の葬儀・告別式はしっかりと執り行うことです。「お通夜から告別式までをすべて行うのは精神的・経済的負担が重い」「式をまったく行わないのは寂しい」とお考えの方に好まれています。
通常お通夜から火葬まで2日間までかかるところ、1日で済ますことができることから、仕事で忙しく、葬儀の準備や施行のために何日も仕事を休むことが難しい方が喪主となった場合や、喪主がご高齢で、2日間葬儀を行うのは身体的・精神的負担が大きい場合に一日葬を選ぶことがあります。

■一日葬のメリット
・2日間かけて行うお通夜・葬儀などの式を1日に短縮するため、喪主や遺族の精神的・身体的負担を減らすことができる
・通夜返礼品や通夜ぶるまいでの接待費用がかからず、お通夜にかかる費用を減らすことができる
・遠方から訪れる遺族にとっては、宿泊せず日帰りで帰ることができるため、身体的・経済的負担を軽減できる
・式を一切行わないわけではなく、葬儀・告別式は行うため不義理だと思われにくい

■一日葬のデメリット
・お通夜は夜に行なうため仕事帰りに参列しやすいが、葬儀・告別式は昼間に行うため、お通夜を行わない一般葬に一般弔問客が参列しにくい
・葬儀に参列することができなかった人が、後日弔問に訪れる参列者後応に追われることがある
・葬儀の儀式には、お通夜から葬儀・告別式、火葬まで一連の流れがあるため、厳格な寺院では理解を得られないことがある
・通常、1日目のお通夜と2日目の葬儀・告別式と2回に分けて弔問客が訪れるが、お通夜を行わないため、葬儀・告別式に一般弔問客が一気に訪れて、接待に忙しくなることがある
・式は一日だけでも、葬儀の準備のため式場使用料が2日分かかることがある
・2日間かける式を1日に短縮するからといって、葬儀費用を半減させることができるわけではない。

■そのほかの葬儀スタイル
一日葬のほかにも、いろいろな葬儀スタイルがあります。それぞれの特徴を知った上で、故人様の遺志や喪主・遺族の状況に最も適した葬儀スタイルを選ぶことをおすすめします。

＊一般葬
生前故人様とご縁のあった方を広くお呼びして、お通夜から葬儀・告別式・火葬まですべての式を行う伝統的な葬儀スタイルをいいます。昔から行われてきた葬儀スタイルですが、最近は遺族の精神的・経済的・身体的負担を考慮して、この葬儀を選ぶ方々が減少しつつあるようです。

＊家族葬
故人様のご家族や親族など、故人様とごく親しい人だけで行う葬儀形式をいいます。一般弔問客の対応に追われずに、故人様とのお別れの時間をゆっくりとれるため、最近人気の葬儀形式です。

＊直葬
お通夜や葬儀・告別式などの儀式を行わず、火葬場の準備ができ次第故人様を荼毘に付します。別名火葬式とも呼ばれます。高額になりがちな葬儀費用に対する負担を大きく削減することができる一方で、基本的に僧侶によるお経や戒名がないため、菩提寺などへの納骨を断られる可能性があることに注意が必要です。

＊無宗教葬
無宗教葬は、宗教的な儀式にとらわれない新しい葬儀スタイルをいいます。決まった形式がないため、自由に音楽を演奏するほか、思い出のスライド写真を見ながら過去を振り返るなど、式次第を自由に作りあげることができます。納得のいく葬儀にできる一方で、葬儀の準備に時間がかかる傾向にあります。