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職場の法律問題

Q1 私用メールを会社がチェックするのはプライバシーの侵害にあたるか


社員の1人が勤務時間中、出会い系サイトに頻繁にアクセスするとともに、そこで知り合った複数人の異性とメール交換をしているとの情報が寄せられました。
本人に問いただしても否定するばかりで、会社としては確証はつかんでいません。
そこで、本人が使用しているパソコンの送受信記録を秘密裡にチェックしてはどうかと考えていますが、プライバシーとの兼ね合いからどうかとの意見もあります。
就業規則等には特段の規定はないのですが、法的に問題はないか、また、私用メールへの利用が発覚した場合に懲戒処分は可能かどうかご教示ください。

A1 会社にはチェックする権限はあるが、社会通念を逸脱した監視はプライバシーの侵害に当たります。

1.電子メールをチェックしてよいのか
まず、会社が社員の電子メールをチェックしてよいかが問題となります。
チェックすること自体は、現在の電子メールシステムであれば、技術的には簡単です。
法律の条文にはチェックの可否や是否が規定されていませんから、不法行為の損害賠償請求事件や解雇の有効性を争う事件の中で、電子メールをチェックしたことの法的許容性が問われることになります。
この点、就業規則や電子メール使用規程に、「会社は利用者の承諾がなくても電子メールを閲読することがあります」などと規定されている場合にのみ、会社がチェックできるとの見解もあります。

2.プライバシーはどこまで保護されるのか

会社が電子メールをチェックすることに関して、従業員から、プライバシー権が主張されることがあります。
そもそもプライバシー権は憲法13条の人格権の一つとして保障され、「検閲」は憲法21条で禁止されます。
しかしながら、憲法で保障されるプライバシー権は、侵害の主体が国家である場合を予定することが原則ですし、「検閲」も行政権が主体となるものに限られますので会社と労働者という私人間では、プライバシーの保護の程度は弱くなり「検閲」に該当しません。
かといって会社での電子メールについて、プライバシーがまったく保護されないわけではありません。

3.チェックの方法

具体的には、IT管理者以外がチェックしたような場合、あるいはIT管理者でも専ら個人的な好奇心等からチェックした場合は、不法行為上の違法と評価される余地があります。
上司だからといって、当然にチェックできるというわけでは決してありません。
プライバシーを考えれば、第三者の専門性が求められます。

4.懲戒の可否

私用メールが多い場合、職務専念義務に反し、懲戒の対象となることは当然です。
けれどもあくまでも原則として職務専念義務に反するものであり、業務との関連性を説明するのは労働者であることに留意すべきです。


Q2 通勤手当の現物支給は労働協約がなくても認められるか?


A2 労働組合との労働協約がなければ認められません。
労基法では、24条において、賃金の支払い方法について、通貨で直接労働者にその全額を支払うことを使用者に義務づけられています。 
これは、労働者に賃金が確実に支払われることを目的としたものです。

①「通貨払い」の原則
貨幣経済が浸透している現代社会においては、最も有利な交換手段である通貨によって賃金払いを義務づけることにより、価格が不明瞭で換価にも不便な現物給与を、原則として、禁じています。

②「直接払い」の原則
親方や職業仲介人が代理受領によって中間搾取をしたり、年少者の賃金を親権者が奪い去るなどの旧来の弊害を除去し、原則として、労働を提供した労働者本人の手に賃金全額が確実に帰属するために規定されています。

③「全額払い」の原則
賃金の一部支払いを保留することによる労働者の足止めを防止し、さらに、「直接払い」の原則と同様、税金等公益上の必要があるものを除き、原則として、労働者の労働の対価を全額労働者に帰属させるために設けられた規定です。


Q3 社員は一方的に代休をとれるか?


A3 一方的に取ることはできません。
法定休日」に勤務させるには、まず、①「休日労働協定」(36協定)を締結し所轄労働基準監督署長に届け出る。 そして、②当該休日の勤務日の労働時間に対して、通常の3割5分以上の割増賃金の支払いを必要とする。 使用者はこの①と②の要件を満たしていなければなりません。


Q4 日勤者の勤務が深夜0時以降に及んだ場合、代休を与える義務はあるか?


A4 義務はありませんが、労働者の健康、時短の観点からも奨励されるべきものであります。
1日の労働時間が8時間を超えると時間外労働となります。
また、それが深夜の時間帯(午後10時から午前5時まで)に及んだときは、深夜の割増賃金を支払わなければならず、  この場合の「1日」とは、午前0時から午後12時までの暦日をいいます。


Q5 翌月に代休を取らせる場合、当月の賃金算定はどうなるか?


A5 「代休日」は同一の給与計算期間内に指定するのが望ましいといえます。 そもそも「代休」とは、休日勤務させた後に、その代償として休日を与えることです。 つまり、あらかじめ定めた休日と勤務日とを取り替える「休日振替」とは違い、「代休」の場合は休日労働したという事実は変わらず、それが法定休日であれば必ず割増賃金を支払う義務が生じます。  したがって、その月内に「代休」を取っていない場合の賃金の支給額は、「通常の賃金×1.35」で計算しなければなりません。

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